「口は災いの元」「言わぬが仏」「物言えば唇寒し 秋の風」…
古くから日本には言葉の持つ影響力を諭した言い回しがたくさんある。「言霊」なんて表し方もするように、みな経験的に言語化による効果を認識しているのだ。
さて、冒頭からネガティブなことわざばかり例に挙げたが、反面教師というか、これらは言葉は使い様によってポジティブな方向にも結果をもたらすことを意味している。
どうせ言葉を発するなら良い結果を招きたいものだ。というわけで今回は、言語化による僕なりのライフハックについて語ってゆこう。
◆ 言語化は手軽かつ強力なライフハック
僕たち現代人にしてみれば、言葉を話すなんてあまりにも日常的な行為にほかならない。ゆえに、言葉のもつ力を日ごろ意識することなど、ほとんどないだろう。
だがこの記事を通じて、使い方によっては優秀なツールだということをぜひ認識していただきたい。具体的には、こんな3つの効果が期待できる。
- 脳内の情報処理
- 感情のコントロール
- 自己のモチベーションUP
では、その理由をご高覧いただこう。
【効果1】言語化は脳内の情報を整理する
就寝前に日記をつけるとよく眠れる、という話は聞いたことがあるだろうか。日記をつけるには1日の出来事を細かく思い出す必要があるため、睡眠中の脳の負担を減らせるというわけ。
このように言語化には情報を整理する効果がある。言葉に出す前には大なり小なり記憶をたどる必要があり、僕のたちの脳内は自然と整理せれてゆく。言わば情報の棚卸しをしている状態なんだね。
情報で頭が一杯になってしまったら、まず言葉に起こしてみてほしい。紙に書いてもいいし、独り言でもいい。
さて、ではもう少し深い話をしてゆこう。
【効果2】発言は感情をコントロールできる
脳の仕組みってのは案外シンプルで、ほんの少しの行動で感情さえもコントロールできてしまう。
というのも、同じ脳内情報でも記憶が過去の情報であるのに対し、感情は現在進行の情報だ(過去の感情は記憶と仮定)。つまり現在も更新している情報なのだから、ちょっとした工夫で様相を変えることが可能、という理屈である。
例えば、僕たち人間は音や光を認識して情報を蓄えるわけだが、そこには当然人の声も含まれているのだ。とりわけ感情にいたっては、人の声、もっというと言葉によって大きく影響されることが報告されている。これは自分自身の声も例外ではない。
あなたも経験があるかと思うのだが、「辛い、きつい」など発していれば本当に辛い気分になるし、反対に「楽しい、うれしい」などと発していれば前向きにもなる。
「笑う門には福来たる」なんてことわざもあるが、これは非常に秀逸な例えだと思う。
【効果3】自己のモチベーションを高める
言語化によるライフハックの最終形、それはモチベーションの向上・維持と僕は考える。
前の項にて感情のコントロールについて語ったが、これは怒りや悲しみなどを抑制するだけに留まらない。言語化には、そこから一歩踏み込んで、やる気を引き出す効果も期待できる。
なにせ四六時中もっとも近くで聞こえる声なのだから、独り言はある意味、かなり強力なマインドコントロールになりうる。繰り返し発することで、本当に発言通りに事が成る気さえしてくる。
具体的な目標があれば、毎日毎日発言してみるといい。受験でも恋愛でも仕事でも、なんでもいい。本当に結果が出るかはともかく、モチベーションの向上にはつながるはずだ。
言語化を活用して人生をもっと豊かに
というわけで言語化の有能性についてあれやこれやと語ってみた。ほんの少し意識の違いだが、生活の在り方が180度変わるといっても過言ではない。
ぜひあなたも明日から、いや今この瞬間から試してみてはいかがだろうか。