【体験談】外資系金融の「給与事情」について元営業マンの僕が語る

【体験談】外資系金融の「給与事情」について元営業マンの僕が語る
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当ブログの読者諸君はご存知かもしれないが、僕は以前、外資系金融の某大手企業で働いていたことがある。誰もが知っている有名企業なので、「外資」「金融」「大手」という3つのキーワードから察する方もいるだろうが、あえて名は伏せることにしよう。

さて、そんな僕の経験から、今回は外資系金融の給与事情にスポットを当ててみたいと思う。外資系への就職・転職を考えている方は、やはりこのあたりが気になるポイントのはずだ。ひとつのモデルケースとして、ぜひ参考にしてほしい。

社長相手にクレジットカードの契約を行っていた過去

ひとくちに外資金融といっても社内には様々な部署がある。その中で僕は法人営業という業務領域を担当し、社長を相手にクレジットカードの営業を行っていた。そう、当時は勢いのあるITベンチャー企業からバリバリの建設会社まで、ありとあらゆる社長さんの元へ出向いていたのである。

思い返せば、10万円のカバンにiPadを忍ばせてオフィス街を颯爽と移動し、ホテルのラウンジで1杯1,500円超の珈琲を飲みながら商談したものだ。客観的に見れば、さぞ華のある日常だったと思う。さて、このあたりの話はまたの機会にしておくとして、そろそろ本題に入るとしよう。

◆ 外資系の金融業界では年収1,000万円はザラ?

いくら以上を高収入と捉えるかは、各自ののライフスタイルによって異なると思うが、おそらく大半の方は1,000万円をひとつのボーダーと考えているはずだ。では外資金融ではどうなのか、という話だが、少なくとも僕が以前いた会社では1,000万円超プレーヤーはさほど珍しい存在ではなかった。30代で2,000~3,000万円という猛者でさえ、けっこう普通にいたりする。

同僚は皆、フルオーダーのスーツを着まわし、手首には200万円は下らない高級時計、雨の日に10万円の革靴を履く。そんなのがオフィス内にゴロゴロいる世界である。

小話を挟むと、僕がこの会社の面接で「年収いくら欲しい?」と聞かれた際、「将来的には1,000万円に届くように頑張りたいです」と答えた。すると面接官から、「そんなもんでいいの?1,000ならすぐだと思うよ」と、こう言われたくらいだ。

この外資サラリーマン金持ちすぎ問題も、のちほど深く語りたいところである。ともあれ、おそらくだか、外資金融は一般的な企業より給与は多いだろう。

◆ 基本給+歩合給+コミッションボーナス =「年収」

気になる給与の仕組みについて、順を追って解説していこう。まず、1年間の給与の内訳だが、見出しにもあるように、基本給+歩合給+コミッションボーナスというのが基本的な形だ。

基本給の額は、25歳で中途入社した僕の場合は31万円であった。慶応卒→フィリップモリスの友人も似たような額だったので、外資系あるあるなのかもしれない。

この時点で給与が高いと感じる方もいるだろうが、とはいえ、そこまで桁違いの額というほどでもない。大きいのはここからだ。

◆ 歩合給により月収平均46万円

営業職ということで基本給に営業成績が歩合給として加算されるわけだが、これが非常においしいかった。

法人営業の場合、クレジットカードの契約につき◯万円加算。その後、クライアントがカードを使うと、使用金額に応じてさらに加算される(数ヶ月以内だけだが)。クライアントはほとんど社長だから、そのほとんどが経費のためにカードを使う。字のごとく、金額は桁違いなものである。

歩合の額は、社内を平均すると15万円程度だったと思う。つまり、この次点での平均給与は46万円に至るわけだ。優秀な営業マンなら、この時点で月収100万円も超える。

そして、さらに大きな数字がここに加わってくる。

◆ コミッションボーナスの支給

我らが社会人にとって、忘れてはならないのがボーナス(賞与)である。業界にもよるが、たいていの企業は夏冬の年2回支給で、合計金額は前年の月給3~5ヶ月分といったところか。

前年月給が30万円とすると、その年ボーナスは90~150万円という計算になる。単純に考えて、ボーナスは年収の20~25%を占め、いうまでもなく重要だ。

また話が逸れてしまった。見出しのとおりだが、僕のいた会社では3ヶ月に1回成績に応じた賞与が貰えた。これはコミッションボーナスと呼ばれ、1年間の営業成績に応じて10~90万円が。優秀な営業マンは、このボーナスだけで優に高級セダンが買えてしまう。年俸制を採用するところも多く、ボーナスという概念がない企業もある。

これで、外資系の金融企業の給与事情が少しおわかりいただけたのではなかろうか。20代で年収1,000万円を超える営業マンが社内にザラにいる。本当にそんな世界なのだ。

あとがき

ただし、お金を稼ぐことは簡単ではない、ということは一言断っておこう。「頑張った」「休まず働いた」など関係ない。契約件数が全てなのだ。

ともあれ、ドロドロした人間関係はなく、完全に個人戦の中で勝ち抜く自信がある方には最高の環境であると思う。成功した暁には港区の高級マンションに住み、新型のベンツに乗り、腕には高級腕時計をつけることができるだろう。

リスクはあるがチャレンジしてみる価値があると思う。たとえ通用しなかった場合でも、そこで得た経験は一生モノだと僕は感じている。