【体験談】大企業の三交代勤務は「人生の勝ち組」かもしれないって話

【体験談】大企業の三交代勤務は「人生の勝ち組」かもしれない
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少しでも接点がないと、仕事に対しての具体的なイメージは湧かないものだ。裏方仕事はなおのこと。今回お話するのはまさにそんな内容で、営業畑で社会に揉みに揉まれてきた僕が、2度目の転職にして工場勤務へとたどり着き、見方が180度変わった話をしたいと思う。

本題に入る前にあらかじめお伝えするが、大手企業での三交代勤務は思いのほか悪くない。まだキャリアは浅いが、むしろ非常に恵まれているとさえ思える。高卒で就職を考えている後輩たち、これから転職を考えている同志への参考になれば幸いだ。

◆「高卒 ⇒ 三交代」はイメージが悪い

まず、工場勤務に対するイメージだが、こちらの投稿にあるとおり、お世辞にも良いものとはいえない。企業による差異はおいといて、業界そのもののイメージが悪い。かつて僕も求人情報に細かく目を通すまではそうだった。

理由について考察してみると、夜勤作業服汚れ…といった印象が強く影響しているのだろう。パッと見の印象は、どうしたってスーツに身を包んだ営業マンのほうが良い。繰り返すが、僕自身そう思っていた。

◆ 実際のところ大手企業なら勝ち組

 

こちらは某番組で工場見学を行った企画である。設備や規模は作っているものによって大きく異なるが、僕の勤めている場所はまあこんなイメージだ。

それはさておき、実際の工場勤務はどうなのかという話だが、はっきり言って大手企業なら人生の勝ち組だと思う。「大手なら工場勤務に限らず勝ち組だろう」という声が聞こえてきそうだが、工場のメリットとして、ほかの業界より従業員数が多く、なおかつ学歴や経験をそれほど問わないことが大きい。つまり、わりと簡単に勝ち組になれるのだ。

大卒ということでキャリア採用で入社した僕だが、工場の業務についてはまったくの未経験だった。しかしながら、なかなかどうして充実した待遇を受けている。では具体的に「何が勝っているのか?」という点について、給与福利厚生業務の3つについて語ろう。

① 意外と「給与」が高く、年収900万円も夢じゃない

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年収900万円というワードに心惹かれる方は大勢いると思うが、大手企業の工場勤務ならわりと手が届いてしまうことをご存じだろうか。僕は知らなかった。一応上司にあたる気のいいおじさんが、実は900万プレーヤーと聞いたときはびっくりした。

当然、これだけの給与はある程度昇格してから得られる待遇だが、20代でも350~500万円くらいの年収を得ることは十分可能だ。ここで注目したいのは、大卒ではなく高卒/未経験でも可能という点。大卒のアラサーでも、中小企業勤めなら年収400万円も珍しくないわけだから、高卒でこの収入はコスパ抜群といえよう。

僕たちの故郷である千葉県銚子市では、隣町の茨城県神栖市の工場に勤める若人が多い。大学生の頃は帰省のたびに「見るからに年下なのに新車のハリアーなんか乗って…親に買ってもらったんか?」など考えていたものだが、実際に工場で勤めてみて理解した。上手にやりくりすれば、20代前半でも新車のヴェルファイアだって購入できるだろう。

② 家賃補助をはじめ、「福利厚生」が充実している

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日本の産業構造はドイツと同様、製造業がその大部分を占める。字のごとく製造業界トップクラスの企業は売上高も桁違いで、敷地面積や予算、人間の数はまるでひとつの街のようだ。つまり何が言いたいかというと、その分従業員への還元がハンパじゃない

感覚としては、クラスに1人はいたであろう裕福な同級生に近い。世帯収入が多く経済的に恵まれた彼らは、親から最新のゲームを次々に買ってもらい、休日はたびたび外食や旅行へ出かけ、お小遣いの桁も0が一つ多かったりする。

話を元に戻そう。僕が現在勤める某企業も、これまでと比較して福利厚生がかなり充実していると感じている。以前勤めていた2社もなかなかのネームバリューをもつ大企業だったため、待遇面では優れていたはずなのだが、今いる会社は圧巻である。

例えば、僕が気に入っているのは家賃補助。上限3万円まで会社が負担してくれるのだが、これは事実上、月給が3万円プラスになっているようなものだ。おかげさまで、現在は家賃6万円弱(1LDK)のマンションで悠々と暮らしている。

ほかにも一軒家を建てたら住宅手当が支給されたり、出産につき祝い金(100万円程度だったか)が貰えたりなど、ファミリーにとって有難い制度が目白押しだ。もちろん、一般的な企業で考えられる福利厚生は完備している。

③ 業務内容も極端にハードではなく、「残業」が少ない

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たとえ給与がよく、福利厚生が充実していようとも、業務が苛烈を極めるならば多くの人がリタイアしてしまうだろう。就職活動においては、業務内容も吟味したいポイントである。

今回フォーカスしている交代勤務だが、実際のところは企業によってその性質は異なる。僕の勤める工場は、きっちり8時間ごとに班が交代するもっともバランスのとれた三交代シフトが敷かれている。これは1日中コンスタントに工場を稼働させたいからだろう。

一方で、日中の稼働に重点を置いている工場ならば 、夜勤シフトは16時間も勤務する三交代シフトもある。 これは日中の人員を増やして稼働率を上げる代わりに、夕方から翌朝までは少ない人員で工場を回しているからだ。手当はつくが、なかなかにハードだろう。ほかにも、12時間ごとに人員を入れ替える二交代勤務というのも存在する。

形はどうあれ、一定期間ごとに変わる勤務時間帯は生活リズムが狂いがちになり、一般的な職業の人ともスケジュールを合わせにくい。高齢になっても続けるのは大変だろう。

とはいえ、業務そのものは至ってシンプルであることから、 若いうちなら慣れてさえしまえばかえって働き易かったりもする。 体力は使うが営業職のように応用力は求められることはなく、コンスタントに黙々と作業を行うのが工場勤務だ。 三交代勤務の色として、残業が発生しにくいというのも大きなメリットだろう。しばし残業することもあるが、営業時代に比べれば微々たるもの

時折、単調作業の連続に飽きることもあるが、グレーゾーン瀬戸際の営業を余儀なくされ、社長を相手取り数々の接待経験を積んだ僕にとってなんのことはない。結局のところ、実質労働時間とそれに見合った賃金さえ貰えれば、そこそこに満たされるのが人間だ。

また、あるタイミングで日勤シフトへ鞍替えする制度もあり、僕も将来的には日勤へ移りたいと画策している。

あとがき

さて、今回は工場勤務への転職を通じて、僕自身が感じていることを語ってきた。現状おおむね満足している。

が、しかし、これはというフィルターを介した主観的な情報でしかなく、個々の適正や企業の体質、あるいは配属される部署や上司によって実情は大きく変わってくるはずだ。ゆえに、みなさんの就活に活かすのであれば、十分に精査したうえで参考にしてほしい。以上です。