【東京23区のおすすめ温泉】銭湯マニアの僕が5つの老舗名湯を紹介

【東京23区のおすすめ温泉】銭湯マニアの僕が5つの老舗名湯を紹介
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地方から訪れる者にとって、東京という街はスタイリッシュで最先端な一面にばかり目がいきます。建ち並ぶビル群、お洒落な店々、行き交う人だかり。すべてが田舎者にとって刺激的。

ただ少し見方を変えれば、江戸の頃より日本の中心たる東京はレトロで哀愁漂う側面も持つ街でもあるのです。そんな魅力をお伝えすべく、今回は都内で楽しめるレトロな銭湯・温泉についてまとめてみました。

僕の趣味を押し付けるようで恐縮ですが、機会があったら一度訪れてみてください。

◆ 東京にはレトロな老舗銭湯がたくさん

下町には昭和のレトロな雰囲気を色濃く残した銭湯がたくさんあります。ちょっとした旅気分を味わえるので、実は東京の銭湯巡りを楽しむ人は意外と多いんです。

最大の魅力はやはりその雰囲気。銭湯は全国的に減少傾向にありますが、東京にはいまだ創業100年という老舗も多数現存しており、当時の空気感を残した名湯を楽しむことができます。

条例かなんかで料金が一律400円強と安く、また営業時間も地方より長いので、その点も湯巡リストには嬉しい。ではでは、僕も含め多くの銭湯マニアが太鼓判を押す5名湯を紹介しましょう。

① 帝国湯(荒川区 三河島駅)

画像出典:あらかわ銭湯

重厚感がインパクト抜群の定番湯

初めにご紹介するのは、大正5年(1916年)創業の「帝国湯」。細い路地を抜けた場所に立地するこの銭湯は、のれんに書かれた旧字体の「ていこく」と、年季を感じさせる重厚感ある建物が特徴的です。浴室の雰囲気も外観に負けず劣らずの迫力で、富士山をはじめ鯉や鹿など、壁に描かれた絵の数々が古き良き日本を感じさせます。

  • 東京 老舗銭湯 帝国湯

画像出典:東京銭湯マップ

帝国湯は雰囲気だけでなく、そのお風呂も魅力的です。井戸水を薪で沸かしたお湯は設定温度が45度とかなり熱く、ほとんどの人が思わず声を上げてしまうほど。しかし、浸かっているうちに慣れてきて、これが次第に心地よさへと変わってゆくのです。薬湯の温度はもう少し低いので、熱いのが苦手な方はそちらをおすすめします。このようにインパクト抜群な帝国湯は、「ここへ行かずして銭湯好きを語れない」といっても過言ではないほどの大定番スポットといえるでしょう。

② 大黒湯(墨田区 押上駅)

  • 住所:墨田区横川 3-12-14
  • 営業時間:15:00~翌10:00
  • 定休日:火曜日
  • アクセス:JR押上駅 徒歩6分

レトロ×モダンな雰囲気が心地いい名湯

昭和24年(1949年)創業の「大黒湯」は、2014年のリニューアルによってモダンな建物へと生まれ変わった銭湯です。清潔感あふれる建物へと改装されましたが、随所に見られる木造建築や富士山のペンキ絵、そして体重計や「ケロリン」の黄桶といった昭和アイテムによって、下町の趣がしっかり残されています。

  • 東京 老舗銭湯 大黒湯

画像出典:押上温泉 天然温泉 大黒湯

このようにレトロ×モダンな魅力でいっぱいの大黒湯は、湯の豊富さが大きな特徴です。通常の白湯やマッサージ風呂はもちろんのこと、「毎日変わる薬湯」「高濃度人工炭酸泉」「よもぎスチーム塩サウナ」など、様々な浴槽が2フロアにわたって用意されています。2階のウッドデッキにはハンモックとベンチが完備されており、ここからスカイツリーを眺めることができるのも嬉しいポイント。浅草を散策した後は、ぜひここで汗を流したいものです。

③ あけぼの湯(江戸川区 船堀駅)

画像出典:東京銭湯マップ
  • 住所:江戸川区船堀 3-12-11
  • 営業時間:15:00~23:50
  • 定休日:木曜日・第3金曜日
  • アクセス:都営 船堀駅 徒歩5分

創業230年超の老舗銭湯

アーケード街を抜けたところにひっそり佇む「あけぼの湯」は、なんと創業が安永2年(1773年)という老舗中の老舗。元々は違う場所にありましたが、1953年に現在の場所へと移転したそうです。あけぼの湯はといえば、実は銭湯マニアの間で時折伝説のように語れるお店でもあります。

  • 東京 老舗温泉 あけぼの湯

画像出典:東京銭湯マップ

例えば、軽食を販売するサービスはあけぼの湯がいち早く取り入れたという逸話があります。今でこそ軽食を販売する銭湯は珍しくないですが、これには飲食店としての許可が必要であるため、1980年代にはほとんど見られなかったのです。また、昔の銭湯は番台が金銭を管理することが一般的でしたが、時代を先読みしたあけぼの湯は30年も前にフロントデスク制へ変更しました。

このように、銭湯のパイオニア的存在のあけぼの湯ですが、自慢の天然温泉はもちろんのこと、細かい部分まで配慮されたにサービスによって、多い日は500人が訪れるほど大盛況だといいます。

④ 熱海湯(新宿区 飯田橋駅)

画像出典:東京銭湯
  • 住所:新宿区神楽坂3-6
  • 営業時間:15:00~25:00
  • 定休日:土曜日
  • アクセス:JR 飯田橋駅 徒歩3分

花街の雰囲気を色濃く残した名湯

その昔、花街として栄えた神楽坂らしく、どことなく華やかな雰囲気を残した「熱海湯」。創業は昭和29年(1954年)で、当時は芸者達がお屋敷へ向かう前に訪れていたといいます。帝国湯と同じく薪で沸かした熱い湯が有名で、花街の情緒を感じながら入る一番風呂がたまりません。

  • 東京 老舗銭湯 熱海湯

画像出典:東京銭湯

そんな熱海湯の魅力は、タイムスリップを錯覚させるほどのレトロ感。全面ガラス張りの浴室をはじめ、ドライヤーや体重計、空調にいたるまで、店内がとにかく昭和当時の物で溢れかえっています。さらにマニアックなポイントでいえば、桶に使っているのは「ケロリン」ではなく、カプコンの人気ゲーム「モモテツ」の広告が印字されたもので、これがかなりのレアものだとか。

⑤ 中延温泉 松の湯(品川区 中延駅)

画像出典:東京温泉マップ
  • 住所:品川区戸越 6-23-15
  • 営業時間:15:00~25:00
  • 定休日:月曜日
  • アクセス:都営 中延駅 徒歩2分

源泉の湧く天然温泉

最後にご紹介するのは、戸越銀座のほど近くにぽつんと佇む「中延温泉 松の湯」です。昭和23年(1948年)に建てられた昔ながらの建物に、平成14年にリニューアルしたタイル張りの建物組み合わさった、一風変わった外観が特徴的。リニューアルによって綺麗に直したものの、細部の構造や中庭の松は当時の物を残しており、十分に昭和感が感じられます。

  • 東京 中延温泉 松の湯

画像出典:東京温泉マップ

松の湯の最大の魅力は、名前からもわかるとおり天然温泉である点です。「温泉」と銘打っていても、実際には現地から運んできた湯を流しているケースがよくありますが、松の湯は泉脈をもつ正真正銘の天然温泉。42度の主浴槽、41度の露天風呂、40度の薬湯など、すべての浴槽に湧きたての温泉成分が含まれています。23区広しといえど、檜浴槽の天然温泉を楽しめる銭湯は松の湯くらいのものでしょう。

あとがき

銭湯不況などといわれ年々数を減らしている銭湯ですが、まだまだ名湯はたくさんあります。僕も半年に一回は銭湯のために都内へ行きますし(笑)

時間に追われる現代社会。疲れたときは「古き良きもの」に触れて、少しリラックスしてみてください。

【随時更新】銚子エリア⇔東京駅の主要アクセス6種を元取材ライターが解説

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2019年9月16日