【リース/ローン/残クレ】車大好き人間が購入方法について語る

【リース/ローン/残クレ】車大好き人間が購入方法について語る
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ディーラーや車屋に知り合いがいたり、または自分自身が車好きでない限り、車の入手方法とは複雑で、少し遠いものに感じられます。家と同じく車は資産ですから、実際簡単な買い物ではありません。

本記事では、この“複雑さ”を生む要因である「ローン」「リース」「残クレ」について、仕組みや長短、そして支払いのイメージについてまとめてみました。

僕自身の経験や、ディーラー勤務の友人、お隣の車屋さんの意見も参考にしてますので、はじめて車の購入を考えている方の参考になれば幸いです。

◆ 車の入手方法は大きくわけて3つ

【リースローン残クレ】車大好き人間が購入方法について語る 画像

新車購入には色々な方法がある

それぞれの違いについて触れる前に、車の入手方法についてご紹介しましょう。ここでいう3種類とは「ローン」「リース」「残クレ」ではなく、「現金販売」「割賦販売」「賃貸借」をの3つを指します。

現金販売とは引き渡し時に全額支払うことで、もっともシンプルで後腐れない購入方法です。愛車感があるためか、「車好き」な人は往々にして現金一括派な印象があります。

対して、割賦販売と賃貸借は料金を分割して支払う方式のこと。利子によって総支払額が膨らんだり、使用に関していくつか制限が付いたりしますが、貯金を崩さず新車に乗れることが大きな魅力といえるでしょう。

今回のテーマである、残クレとローンは割賦販売、リースは賃貸借に該当します。

【購入方法1】ローン

車を購入する方法として、現在もっとも多くとられる手段がローンによる決済です。割賦販売という難しい字面をしていますが、ようするにローン会社や銀行が資金を立て替えてくれることです。

先に販売店への支払いを済ませてもらい、それに応じた額を毎月支払っていくのですが、 利用するためには審査を通過したうえで利息所有権留保がともないます。これについて手短に説明しましょう。

貯金を崩したくない人向けのプラン

ディーラーが提携するローン会社と契約した場合、3~7%という年利で支払を行います。銀行の場合は審査が厳しいですが、金利は2%程度でしょう。

具体的には、300万円の車を“フルローン5年/ボーナス払いなし”で購入した場合、合計で350万円をローン会社に返済することになります。
6万円弱の支払いを毎月行い、60回で完済するので、この場合300万円のまとまった資金を必要としません。

その代わり、車の所有権は完済までの担保としてローン会社に寄与される形となります。これを所有権留保などと呼び、法律上は所有者ではなくただの使用者という扱いとなります。とはいえ、車の名義は買い手の名前で登録されますし、売却や自己破産しない限りさほど影響ないといえるでしょう。よって、ローン契約は…

  • 貯金を崩したくない or 貯金がない
  • 安定した収入がある

という人に向いているといえるでしょう。

【購入方法2】マイカーリース

 

冒頭で説明したようにリースは賃貸借、すなわち車を一定の期間借りることです。しかし、その形態はレンタカーと大きく異なり、リースは自分の代わりに新車を購入してもらうことを指します。ゆえに、詳細はことなるものの、感覚としてはローンと大差ありません。

利用料金の仕組みは、契約年数で消費した残価に、その期間の税金メンテナンス料金を含めた金額を月々支払うような形です。したがって、ローンよりも安い費用で新車に乗ることができ、かつ維持も容易であることが特徴といえます。

もともと法人向けのプランですが、最近では個人向けのマイカーリースも出回っており利用する人が増えてきました。

車にこだわらない人向けのプラン

利用料の仕組みについて、もう少し具体的に見ていきましょう。まず車体価格ですが、リース会社では契約年数が経過したあとの残価を予測し、その額を本来の車体価格から差し引いて設定しています。

加えて、契約期間中の各種税金車検費用なども利用料に組み込まれているので、維持に関わる費用がまとめられている形になります。その一方で、税金や車検費用にも金利が発生していることから、支払う利息は通常のローンよりも大きくなってしまいます。

支払いの一例として、300万円の車体のケースを考えてみます。5年後の残価100万円を想定すると、5年契約での車体利用料は200万円です。
これに、諸費用(取得費用、各種税金、車検など)を加えた金額に金利が発生するので、リース利用料の総額はおよそ260万円。毎月の料金は4万円強となり、これを60回で支払っていく計算となります。

ローンを組むよりも安く新車に乗ることができ、なおかつ維持の手間もかからない点がメリットといえるでしょう。ゆえに、リースは車にこだわりがない人に向いているプランといえます。

ヘビーユーザーには向かない

前述のとおり、リースはレンタルと根本的に異なるため、契約内容が厳重です。解約が基本的に認められず、自由度が低いことがデメリットとして挙げられます。

例えば、契約期間中にモチベーションが下がっても、原則返却が認められません。反対に、愛着が沸いても引き続き乗ることはできないです。(購入できる会社もある)

また、年間12,000km程度の使用を想定しているため、過走行や車体の損傷が起来た場合は、ペナルティとして支払いの義務が発生します。

  • 所有欲やステータスを感じたい人
  • 走行距離が多い人

こういった人には不向きなプランといえるでしょう。ただし、最近では流動的なプランも増えてきているので、気になったら目を通してみるといいかもしれません。

【購入方法3】残価設定型クレジット

 

近年流行っている購入方法がこの「残価設定型クレジット」、通称「残クレ」です。ディーラーと提携しているローン会社が提案するこのプランの特徴は、リース同様月々の返済額が少額で済む点と、流動性が高い点。すなわち、ローンとリースの両方の特性を兼ね備えたプランといえます。

リースのように、あらかじめ設定された残価を車体価格から除いて算出しているので、ローンよりも月々の支払額は安いです。そして、諸費用が自己負担なのでリースの利用料よりも料金が安く、最終的に残価を支払えば、自分の車として所有することも可能。この流動性の高さが、人気の秘訣といえるでしょう。

しかし、それゆえにプラン内容の理解度が問われるため、きちんと吟味しておく必要があります。例のごとく、噛み砕いて解説しましょう。

常に新車に乗りたい人向けのプラン

リースと似た仕組みですが、実はニュアンスは微妙に異なります。リースが“残価を差し引いて”価格を算出しているのに対し、残クレは“残価を最終回に送っている”といるのです。この最終回を支払えば車は晴れて購入者の物となり、支払わなければディーラーに返却することになります。

ゆえに、感覚としてはリースに近く、実態は変形型ローンというのが正確な解釈です。個人的には、頭金を後回しにしたローンと考えることでスッキリしました。

これまでの流れに従って、300万円の車で例えてみます。5年後の残価設定を100万円とすると、300万円に金利を乗せて、うち200万円を5年分割する計算です。これを59カ月で分割し、毎月4万円弱を支払います。
ここでポイントなのが、60回目の最終支払額が100万円となる点。支払えば車は自分のもの、支払わなければ返却となります。

このように非常に流動性の高い購入方法なので、車の選択に確固たる意志がない場合は、残クレで契約してみるといいかもしれません。気に入ったら継続、ダメなら乗り換えといった感じで利用するといいです。とくに、短いサイクルで新車を乗り換えたい人にはおすすめ。

流動的だが一長一短も

残クレは安く新車に乗ることができますが、必ずしも得をするということではありません。最終支払を例にとって解説しましょう。

最終支払は「一括か?/分割か?」を選ぶことができ、一括で支払えばフルローンで購入する場合とほぼ同じ支払総額になります。しかし、最終支払を分割する場合は、残りの金額で再度ローンを組むことになり、その利息分多く支払うことになるのです。

また、最終支払をせず返却するケースでも、車体の状態や時価によっては査定価格が下がることもあり、その分を自己負担することになります。すなわち、ローンの支払総額より多く払うことになるのです。走行距離が超過した分も、後ほど支払いが発生するので要注意です。

実際、残クレでお得に新車に乗るつもりが、結果としてフルローンよりも高くなってしまうケースがよく見らます。目先の安さだけに気を取られずに、よく吟味する必要があるのです。

まとめ:5年契約の支払シミュレーション比較

ハリアー TOYOTA

画像出典:ハリアー 購入シミュレーション – TOYOTA

300万円のモデルを例にとって紹介してきましたが、ここで一度整理したいと思います。トヨタ「ハリアー」の2.0Lモデルを各方法で支払いシミュレーションをまとめてみました。

ハリアーの仕様

表1. ハリアーの仕様

表2 ハリアー支払シミュレーション

表2. ハリアー支払シミュレーション

補足すると、ローンと残クレは「千葉トヨペット」、リースは「ニコノリパック」からネット見積もりをしてみました。金利やプランの細かい部分でも変わってきますが、イメージとしてはこのような感じです。

ちなみに、ローンと残クレの場合はこの金額に購入諸費用(リサイクル料金や登録料など)、税金車検が加算されます。5年間の維持にかかる金額は、およそ30万円程度と想定するとよいでしょう。

あとがき

「車を一括で買うなんて馬鹿(金利が安いのに)」「ローンで見栄を張るな」「残クレはけっきょく損する」「リースなんてダサい」…車の購入方法って何かと否定的な意見をよく聞きます。もちろん、みんながみんな否定しているわけではありませんが、少なくともこの4つの発言は、僕が今まで実際に耳にした意見のです。

まあ、どのプランも一長一短があるのは事実ですがから、やっぱり自分に合っているプランをっ見極めることが一番大切ですよね。一点、僕は助言するとしたら、車にせよスマホにせよ保険にせよ、「月額○○といったプランはわざと分かりにい仕組みにして、素人から搾取しようとしている」ということです。なので、何事も目先の安さに惑わされてはいけませんよ。

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