日本語ってとても難しい! ゆえに色んな伝え方ができて奥が深い言語なのだけど、僕のような一般人からすれば、素晴らしさよりも難しさが際立って感じられます。
今回のテーマはそんな日本語の難しいポイントのひとつ、動物の「数え方」にまつわるお話。みなさんも一度は、「なぜ牛や鳥や魚で数え方が違うのか」と考えたことがあるのでは?
◆ 食べ残す部位が動物の「単位」
動物の数え方の意味。
— 未来ジョブクリエイト (@miraijob) September 27, 2019
実は恐ろしかった。
牛や豚などは一頭と数え。
鳥は一羽、魚は一尾。
食べ残る部分を 数え方の単位としているようです。
人間の数え方は一名、二名、、、
ツイートにあるように、パッと思いつく代表例でいうと「牛=◯頭」「鳥=◯羽」「魚=◯尾」などか。たしかに食べ残る部位が単位になっています。まぁ、個人的にはどうなんだろうとは思いますが…。
というのも、フルーツを皮と種もろとも食べる悪食の僕はもちろん、わりと多くの人が鳥の羽や魚の尻尾を食べるものとして認識してると思うんです。例えば、鳥なら手羽先やフライドキチン、魚なら天ぷらや佃煮など。もしかすると、羽とは羽毛を指すのかもしれませんが、それを言うたら牛なら体毛、魚なら鱗となってしまいますぜ。
さて、屁理屈こねるのはここまでにしておきますか。はるか昔に使われ始めた言葉なのでしょうから、現代に当てはめて考えるのもナンセンス。いつの世も、新たな言葉とは遊びような感覚から生まれるものですからね。食べ残る部位で数えるとはなんとも残酷に感じられますが、冷静に考えてみると至極当然なんです。
◆ 家畜の数え方が言葉の起源
起源について。昔の人が動物を数えるようになったのは、動物を家畜として扱うようになったことが一番の理由です。運搬、農耕、食用など、家畜には幾通りもの使い道があり、貴重な資源といえます。なんだかモノのように扱っているようで酷い気もしますが、実際のところ人間にとって家畜はモノでしかないわけですよ。
例えば、小売業界では社内・店内で抱える商品は、常に在庫数を把握しておく必要があります。僕は学生のころ酒屋でバイトをしていましたが、月末の棚卸作業はそれはそれは大変でしたわ!ともあれ、現代人と同じく、昔の人たちも集落を形成するなかで家畜の数を管理する必要がでてきたわけです。そうなると、単位があったほうが数を把握する都合がいい。
一説によると、初めて動物の単位として使われた「匹」という字は、馬のおしりから形作られたみたいですね。つまり元々は馬を模した象形文字で、「匹」はそこから派生した漢字なのです!馬は戦国時代には膨大な数を飼育していたわけですから、数の管理も容易ではありません。
◆ 発展にともなって数え方にも工夫を
「匹」の起源となった馬ですが、現代では「頭」で数えることのほうが多いと思います。これは時代の進行とともに管理する種が増え、紛らわしくならぬよう、一定のカテゴリごとに分けて数えるようにしたため…なのだと思います。あんまりに動物の種類が多いと、何が何匹いるのか把握しにくい。
家畜として代表的なのは馬、牛、豚、鶏、あとは釣って食べる魚も数の管理が必要ですな。なぜか馬から豚へと「匹」がシフトし、馬や牛は「頭」を用いて数えられるようになります。理由は…頭で数えるのが分かりやすいからかな?「頭数」なんて言葉もあるくらいですしね。
鶏と魚も、ようは数えやすいから「羽」「尾」を単位に用いたのでしょう。小さな動物は、生きているときは動き回って数えにくいですけど、死んで残骸となった姿は容易に数えられますから。ゆえに、自然と食べ残った部位で数えるようになったのだと推測します!
あとがき
動物とは違いますが、人間の数え方にも「人」や「名」などがあります。「人」はそのままですが、「名」というのは動物の数え方に通じますね。なにせ人が亡くなったとき、最後に残るのは名前ですから。
命と物の境界というか、単位にもいろんな意味が込められているんですね。これを残酷ととるか、合理的ととるかは人それぞれですが、言葉って本当に面白いなぁ、と僕は思います。結局、日本語って素晴らしい。